【バスの運転手流】反応しない練習
「反応しない練習」という本がよく読まれてるようです。
タイトルだけでだいたい言いたいことは分かるのでまだ読んでませんが。
他にも、「自分の頭で考える」系のタイトルの本も、目の前の現象に反応してるだけで考えて行動していないといった内容のようだ。
私は、バスの運転手だったのですが、バスの運転をしてると目の前でいろんなことが起きます。一般車はバスが相手だと「これぐらい許される」「バス遅いから前に入っとこ」「バスは事故したらアカンから避けて当然」といった感じで遠慮してくれません。そういったものに、いちいち反応して、急激にアクセル緩めたりブレーキ踏んだりしてると、乗り心地が悪くなり乗客の具合が悪くなったり「降ろしてください」と言われたり苦情もらったりしてしまいます。だからといって何もしないと結局、直前で急ブレーキを踏むことになったりします。
じゃあどうするのか?というと、周りの状況をよく見て異変は、いち早く察知し早めに対処する。といった具合です。
「なんや!反応しとるやん!」と言われそうですが、なんでも早めに対処すればほんの少しの労力で済むのです。早めにだと1ミリ程アクセル緩めるだけでタイミングをずらせたり、やり過ごせたりできます。しかし、反応が遅くなると、その分、きつい操作が必要になってきます。職業柄、なるべく急ブレーキは避けたいので、逆にぎりぎりまでブレーキを踏めなくなる場合もあります。ですので「バスの運転手や思ってなめるなよ」みたいな運転手のバスはだいたい乗り心地悪いですね。やはり柔軟性が大事ですね。言うなれば「自分をフィットさせる」みたいな。
例えば、真っ直ぐな道だからといって、ハンドルを真っ直ぐ持ってればいいわけじゃないですよね。車の向きに合わせて調整してるはずです。これが運転下手くその場合、ずいぶん車の向きが変わってからグイッとハンドル切るもんだから、よくわかる。上手い人の場合、やはり早めに車の向きを察知してハンドルを切るというよりアテルという感じで、向きを変えるというより向きが変わるまで待つ感じで操作するのです。すると、はた目には、何もしてないように見えるというわけです。
おそらく、運転上手い人を見ても「ウマッ」とは思わないでしょう。それどころか、「目の前で何も起きないんだったら誰でも上手く運転できるわ」と思われるんじゃないでしょうか?
バスの運転手的には反応しないとは「反応しなくてすむように、ほんの少しだけ早めに反応しておく」ということになります。
おそらく、日常生活でも使えると思います。体重とか虫歯とか掃除とか…。
内側も同じ。小さいうちに「今、ムカついてる」「見栄張ろうとしてる」「マウントとろうとしてる」と気付くことで対処可能だと思う。
世間では、逆に、反応を鈍くすることで、結局、過剰に反応させられてるように思う。
目の前のストレスを放置し過ぎてどうしようもなくなって、そして、世間のニュースとかに噛みつくことで発散してるんじゃないの?と思うことがよくある。
おじさんが頑固なのは、例えるなら、真っ直ぐな道でハンドルを真っ直ぐ持ったままで何も操作しない状態を「何が悪い!」と思ってるから、そうなるのかなあと思う。
いずれにせよ鈍くていいことなどない。むしろ、鋭いことで楽になるといえる。
私はというと、いつもランニングしてる公園で前から来る人とすれ違うのに、すごく早めにこちらから避けてるのに、少し手前でまたブロックされてイラッとすることがある。まだまだ修行が足りないようです。